19年前と言えば、西暦2002年、平成14年
私は31才。
当時フルタイム勤務で働いていた今の勤務先に入社して2年目になる。
長男冬郎7才(小学2年生)、長女バナナ5才(年中)
離婚して3年目の母子家庭真っ只中な頃でした。
よくある田舎の2DKのコーポに3人で暮らしていて、もちろんペット不可ですよ。
19年前のその日、私は早上がりの勤務だったか、もしくは休みだったのか、
たしか平日でしたね。
私の友人が遊びにきてまして、ママトークしてたんですが。(当時はまだママ)
長男が学校から帰宅、いつものようにランドセルを放り投げてから、勢い落とすことなくそのまま玄関へと走り、遊びに出かけたのです。
まあ、日常。
というか、これが普通。
と、小一時間経つか経たないかくらいで、また戻ってきました。
ただいまー。
おじゃましまーす。
いつも一緒に遊んでる原くんも一緒みたいです。
バタンと子供部屋に入っていきました。
なにやらキャッキャと声が聞こえますが。
少ししてから、また出てきました。
「また遊び行ってくるー!」
「おじゃましましたー」
またふたりで遊びに出かけました。
長男は玄関の戸を閉めながら
「俺の部屋、のぞかんでねー!」
と捨て台詞。
あやしい…
何もなかったら、のぞかんでとか、絶対言わないはず。
「なんかあやしくない?」
と、友人とふたりで子供部屋をのぞきに行きました。
戸を開けると、2段ベッドの上から、なにやらにーにーゆってる。
友人と顔を見合わせて、2段ベッドの上によじ登って見てみると、
布団にくるまったちいさなちいさな子猫でした。
「うそやろ」
抱き上げると、両手両足をめいっぱい広げて、にーにー叫んでいます。
目は開いていて、ぎりぎり見えてるのかな~程度。
細くって、毛並みは雛のようにぱさぱさと毛羽立っていました。
生後3週間から1か月弱とみられる。
いやいや。
覗かんでよーって、置いてったの子猫かよ。
置いてく前に、飼っていい?とか、
連れて帰って来てもいい?って、聞くやろ、普通!!
にーにー鳴いて、速攻バレるやろ。
とりあえず事の真相を聞くべく、長男の帰りを待ちます。
待っている間も、にーにー。
喉が渇いてるかなと、お水をあげました。
ぴちゃぴちゃと舐めます。
お腹がすいてるかもしれないけど、子猫が食べれるものが見当たりません。
そうこうしていると、子猫の事が気になった長男がまた戻ってきました。
どうするつもり?なんて聞く前に、
「捨てられとった子の中で、一番可愛い子を連れて帰って来たけー。」
と、国宝ダイアモンド級の笑顔が返ってきたのです。
母は、覚悟を決めました。
1つの命の大切さを、
この猫ちゃんと一緒に、
子供たちに伝えていこうと。
本当は、経済的にも、賃貸のコーポ住まいにも、ペットを飼うには厳しい条件ばかりでした。
ですが、ここで、この子猫を
もう一度元のところに戻しておいでとは、どうしても言えませんでした。
そんなはじまりからの、17年間の猫生活でした。
子猫の世話に追われ、気付いた時には1か月経ってました。
あわてて撮った最初の一枚です。

生後約2か月くらい ♀でした。
『まる』 拾い主長男が命名。

ピンと尖ったお耳と、揃えた前脚に出現する♡マークが特徴
脂ののった魅惑のタルタルボディで、
人間でいうと50代後半といったお年でしょうか。
これが9歳頃です。
お美しゅうございます。
後から生まれてきた次女は、もっぱら格下扱いしてましたが、
晩年は角が取れてきて、誰のひざでもいいように。

(長女バナナ23才のBDP。亡くなる9日前の写真。まるちゃんも一緒に17歳のお祝い)
一番大好きだったお姉ちゃん。
いつも一緒に眠ってました。
最期も大好きなお姉ちゃんに抱かれて眠りました。
まるちゃんが去ってから2年が過ぎました。
今やっと、振り返れるくらいまでに。
17歳の娘を失った悲しみは消えることはないけれど、
人間て都合がいいものね。
辛い別れより、楽しかった思い出ばかりよみがえるのね。
先日、仏壇のお水を入れ変えようと覗いたら、
まるちゃんのお供え用のお水だけ、カラカラになくなっていました。
生前、仏壇用のお水をコソ飲みしていたので、
その日は、遊びに来てくれてたのかもしれません。
私の目に見えないだけで、居るのかもね。
その日から、なんとなく吹っ切れた気がします。
今もパソコンを打ってる
この、こたつの中にいるのかも…と。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
次回もお楽しみに。
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