引きこもり心を閉ざした不登校女子高生のちいさな風穴

子育ての話
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私の26年来の友人に、高校2年生の娘さんがいます。

保険会社の代理店を経営しているその友人から、最初にこの話を聞いたのは、

今年の3月頃でした。

「うちの娘、しばらく学校行けてないんよね。」と、友人。

一年生の後半から不登校だと言っていた。 

「たかちゃんなら、こんな時どうする?」こんな質問に、少し考えてから、

「無理に行かさず、しばらくゆっくり休ませるかな?」

こう答えていた。

 

 

私には今のところ、不登校の子供を持った経験がないので、あくまでも想像でしかなかったが。

不登校とまでは行かずとも、長女が中2の時、ほんの少しだけ学校を休むことがあった。

部活内でのよくあるいざこざに巻き込まれ、学校や親同士の話し合いにもなったのだが、

最終的には、『俺の顔に免じてここは丸くおさめちゃってくれんかのぉ』と、

3学年上の長男がしゃしゃり出て、相手の年下中学生女子に対して、兄貴風なのか先輩風なのか、よくわからない風をびゅんびゅん吹かせ、周りは笑いがこらえきれず、いつの間にか事が鎮火したという話で。

(いったい何の任侠映画ですか? 菅原文太にでもなったつもり? なぜ広島弁?免じる俺の顔って、いったいどんな顔やねん!)

(ここにもおもしろ冬郎ネタあったわー!笑)

長男ネタが気になる方はコチラコチラコチラコチラ

幸い一週間後には、登校を再開してくれることとなり、部活も続けてくれましたが、

長女にとって、多少トラウマが残る出来事でした。

 

 

子供の不登校は未経験でも、

自分のうつ病経験から、心の休憩が必要なことだけはピンときました。

「もしかして自分の意見とかあまり言わないような子?」

と聞くと、それを上回るほどまじめで優しくて思いやりのある性格の女の子でした。

今は、自分の部屋に閉じこもり話もほとんどしてくれないそう。

『休ませたままでいいんかね?学校だけは最低行かせた方がいいと思って、引きずってまで行かせようとして、強く引っぱったらこの前、制服破いたんよねー。やっぱりまずかったやろか』

と、顔をしかめていた。

まあ、やってしまったことは仕方がないんで、しばらくはゆっくり休ませてからじゃないと、心も開いてくれないんじゃない?

てな、感じの話をしたのが3月頃。 

 

その次に会ったのが、私の痔の入院前だったので、7月だったかな。

「娘ちゃんの調子はどう?」

と、聞くと、

「ちょっとはいいけど、まだ学校には行けてないんよねー」

と言っていた。

でも、最近は部屋から出てきて、居間にいることも増えてきたんだとか。

まだまだ心は閉ざしているものの、料理をしてたら手伝いにきたりと、多少の会話ができるようになってきたらしい。

3月の頃からしたら、随分な進歩だ。

それでも友人はこう言っていた。

「たかちゃん、私はなにをしたらいいんやろうか…」

「私がいけんのよね…」

「このまま休ませ続けたら将来の事とか、心配で…」

 

 

母の”先”

娘の”今”

私は、見ている目線の違いに気づきました。

第三者だからです。

 

「今が苦しいから、将来の事も、なんなら明日の自分さえも考えれんのじゃないかな。

そりゃ、高校大学としっかり卒業した方がいい就職先に就くだろうけど、

今の世の中、働き方なんて色々あるし、

仮にその高校に戻れなかったとしても、高卒認定試験てのもあるやん。

まじめで勉強もできる娘ちゃんなら大丈夫よ。

まずは、今できることからひとつづつやってけばいいよ。

仕事が忙しいやろうけど、何するでもなく一緒にいる時間を少しでも作ってみたら?

たまには自分も休みや。」

と、帰り際になんとなく伝えました。 

保険の代理店をしている、超多忙な彼女。

私が知っている限り、いつも分単位で北九州市内を飛び回るガチのキャリアウーマン。

その日もいつものごとく倍速でしゃべりながら、最後車に乗り込む時も、さっきから鳴りっぱなしの電話が入ったバッグを助手席に放り、 ドアを閉めてもまだしゃべり続け、 次のお客さんのところへビュンっと向かっていった。

そんな超多忙な彼女が次の日も来た。

「昨日たかちゃんに言われたこと、思い出せん事もあったけ、もう一回言ってくれる?メモるわ。」

 

高卒認定試験

今できることから

一緒に居る時間

なにもしなくていい

 

ひとつひとつメモをとっていた。

「私は、先生でもプロのカウンセラーでもないよ!」

そう言ったのに、

「そんなのわかっとるよ、たかちゃん。でも思い付くことからでもなにかやってみようと思ってさ。」

忙しい中せっかく来てくれたので、

私は、昨日言いそびれたなーと思っていたことも付け加えて聞いた。

「娘ちゃんとハグする?」

「…それやろ。私、してないねー。最近じゃ子供たち大きくなってまったくしてないねー。なんかね、私…しきらんのよ。なんてゆーかな、キャラじゃないてゆーか、照れがあるんやろうねー。」

 

わかる。

わたしからみても友人のキャラではなさそう。

でもなー。

これ、突破口な気ぃするんだよな…私的に。

ちっさい頃ならハグも抱っこも、なんてことないけど、

成長した思春期の娘とは、今更照れるよねー。

バリバリのキャリアウーマン母が急にハグさせてって来たら、

『お母さんの死が近い…』て、Twitterでつぶやかれるわ。

(女子高生Twitter世代やないやろ)

 

「これ、一番苦手なとこなんよねー。」

彼女は自分でもわかっていた。

「いかにもな”ハグ”じゃなくていいんじゃない?肩とか、足裏もんでやるとか、握手からでもいいやん。ハイタッチとかね。背中さすってやるとか。なんかなしどこでもスキンシップしたらいいと思うよ。」

どこでもスキンシップー♪(ドラえもんの道具風に)

 

 

 

痔の入院手術での書類提出関係で、それから何度か会ったものの、ゆっくりと話す機会はなくて、

昨日久しぶりに彼女が訪ねてきた。

「たかちゃんに言われてさー。ここ2か月くらいやけど、日曜日には、仕事入れんで休むようにしたんよ、私。」

普通の人からすると当たり前な週一の休みも、彼女の事情を知っている私からすると、ものすごくびっくりな事だった。

日曜だけは、なにも予定をいれない。

娘ちゃんが起きてくるまで待つ。

食べたいものや、したいことを聞き、

一日一緒に過ごす。

平日は、帰宅も遅くあまり時間がないので、娘ちゃんが居間でテレビを見ていたら近づいて横に座る。座ってもすぐ眠たくなって結局横で寝とんやけどねー。

と、彼女はいうけど、十分にすごい! 

「やれることから、やってんだねー。」と私。

「それがね、ここ2日くらいやけど、事務所(彼女の保険会社代理店)の手伝いに、

来てくれるようになったんよ。少しだけやけどね。」

 

家から出れるようになっただけでもすごい進歩なのに。

簡単な書類の整理や印鑑付きだけよー、なんて言ってるけど、

娘ちゃんには大きな進歩ですよ。

一時は突破口が見えないって、頭抱えてた彼女を思い出し、

私の方が、うれし泣きしてしまいました。

(もー、ホント涙腺ばか)

 

「たかちゃん、ありがとうねー。まだまだどうなるかわからんけど、少しずつやれる事から続けてみるわ。まだハグまではしきらんけどね!」

それでぜんぜんいいよー。

いやいや、私は何もしとらんですよ。

今は高卒認定試験を受ける方向で、これからの話も少ししているそう。

頭もよくって、まじめで、優しい子なのできっと大丈夫な気がします。

ただ、頑張り過ぎたら体も心も壊れるよってのを知って、 これからは、適度な頑張り方を身につけてほしいな。

病んだ自分を恥ずかしがらずに。

誰でもひく風邪のようなもので。

気を付けてたって、ひく時にはひくんです。

しゃーなし。

 

  

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございます。

次回もお楽しみに。

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