前略、ぱーぷるぴーぽーの母より②

子育ての話
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行き帰り40分40分で計1時間20分

あーだこーだの事情聴取に約1、2時間としても遅くとも4時間後には帰れるだろう。

 

派出所に着き、ペコペコと頭を下げながらくるりと見渡すと

壁側のベンチに、大股開いてふてくされた態度の長男がいた。

母を見つけて、さらにキーーと睨む。

おいおい、冬郎さん、あんた何様な態度よ、それ。

悪いのはおめーだろーがよ!

夜中に呼び出されて迎えに来るこっちの身にもなってみろよ。

アラフォー女のスッピンぞ!

こんな怖いもん見せられたお巡りさんの気持ちにもなれや!

しかも、チャリ盗んだってーー?

中学生かよ!

そんなんで捕まるな!

田舎ヤンキーの補導歴、内容ちっさすぎんか?

もっと大ごとなら、一緒について来てくれた青いテディベアちゃんにも

言い訳できるじゃろがい!

 

ひと言も口を利かない長男の横で、

言われた通り書類に記入し、すみませんすみませんと何度も謝って

派出所を後にした。

後部座席に長男が乗り込む。

後部シートのど真ん中に

でーーーんと、まさしく大の字で。

もしもし? どこの親分さんでござんすか?

 

反抗期の腑に落ちない怒りの矛先は大体母親だと世間での相場は決まっており、

今わたしは、まさしく敵に背後をとられている。

しかも丸腰だ。

非常に危険極まりない。

なぜかさっきから運転席シートが背中からゴツゴツいっているのも、

たぶん奴が蹴っているに違いない。

早く帰らねば!

 

無言で重苦しい空気のまま車を走らせ、

しばらくしてから、長男が口を開く。

『ねーーっちゃ! どこいきよん?』

母「はあ? 家に決まっとろーが!!」

『オレ、まだ用事あるんちゃ!』

母「知るかーーー! 家に着いたら勝手に行けー! ボゲーー!!」

 

母の鋼鉄の背中に恐れをなしたのか、そこから眠ったように静かだった。

自宅の駐車場に着くなり、ポイと長男をほたる。

時計を見ると夜中の1時50分

滑り込みセーフ!

ソフトバンクの周東が軽く2塁に走る感じじゃないのよ。

3塁打の松田がホームに滑り込む感じのセーフよ。

ドームが沸く!

熱男ーーーー!!

 

気を静めて部屋に入り、すやすやと眠る次女の布団にそっと入り込む。

夜の空気に冷やされた母の、いつもと違う体感に

次女がもそもそと、目を覚ましかけた。

あと30分で起きなきゃいけない夫が目を覚まさないうちに、

さっとはだけて、さっと添い乳。

オープン・ザ・パイオツのまま、気が付けば朝。

 

 

それから約4年後成人式の彼です。パリピです。

 

 

中身は地元ラブな田舎ヤンキーの落語家です。

すみません。落語家さんに失礼です。ただの愛すべきバカです。

 

思春期&反抗期with授乳期 なんて夢のようなコラボ

出演者が豪華すぎて二度とないでしょう。

シシュンキ♪ ジュニュウキ♪ ハンコウキ~♪ 

親コウネンキ~♪ yeah♪ (キマッタv)

 

そんな紫だった彼はもう、27才。

アラサー男子です。

ずいぶんと落ち着きました。

ちょっとオジサンです。

今月転職するらしいです。

自分で自分の道を歩んでいるようです。 

そいや!

 

 

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございます。

次回もお楽しみに

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