へそ、というより尻

痔日記シリーズ
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まず、何から書こうか。

とにかく忘れないうちに書こうと思う。

100才まで生きる予定で人生のへそ、50才。

今年の年明けすぐに健康診断を受けた。節目なので気前よく人間ドックに。

コロナ過で胃カメラ検査が出来ず、やむを得ず今回はバリウム検査になる。

この歳でバリウム初体験。

バリウム液を口に含んだまま食道をひろげる?

はい、ベッドたおしま~す!

え。

何度もえづきながら涙で顔面えらいことに…

早くもゴクンしたい! うう!

はい、ゆっくり液をのんでくださ~い!

(やった!)ゴっクン!!。。。

首をかしげながら息子よりももっと若いであろう検査技師のお兄さんが戸の向こうから出てくる。

「ちょっとうまく撮れなかったんでもう一回お願いします。」

涙をふく私の前に申し訳なさそうに渡された紙コップを受け取り、

そうね。

今のはわたしの落ち度ありね。認める。

うまく食道広げれてなったわ。

気を取り直してイッキ!!

合いの手でもあればガンガンいっちゃうのに、心の中でちっちゃくイッキ!って言いながら。

「あ。全部飲まないで下さい!3分の一位残して」

ぅおい!!

はじめに言うてくれんかのー。

イッキしよったやん!

意気揚々と2回目。

はい。そのままベッドたおしま~す!

はい、食道ひらいたまま~!

まだですまだです!

はい。ゆっくり液を飲んでくださ~い…

ガラス越しに明らかにさっきよりくぐもった表情のお兄さん。

いや。今のはよかったんやない?

お母さんゴックンもゆっくりできたよ。

「ごくんて飲み込むときに食道をしぼらず広げたまま飲み込んでください」

優しく説明してくれる。

しぼらず物を飲み込む?

…そんな器用なこと世の中のみんなやってる?知らないのは私だけ?

エアーごっくんを何度か繰り返し

一度もやれる気がしないまま3回目へ。

差し出された紙コップ…

ごめんねお兄さん。時間とらせてしまって…

今私たちは同じきもちよ。

そう。早く終わらせたい!次こそは!

いやいや。いくら私が本番に強いっつっても。

いやいや私持ってる!yes we can!

仕方がない。びしっと決めてやろうじゃないか!三度目の正直。

三度目の正直はお兄さんだった。

最初の感じの良い雰囲気はどこへやら。

無表情のまま深く息を吐きながらガチャっと出てきた。

無言だった。

次こそはちゃんとやんなきゃって、ドロドロのバリウムや色んなもので膨れ上がった私の記憶は、そのあたりから曖昧になってくる。

それから何度かの後、この勝負はお兄さんの根負けという形で終えた。

最後までオッケーもらえなかった。

たぶん食道部分はうまく映ってないままだと思う。

もう良しとしよう。

お互いにがんばったね。

お兄さん本当にごめんなさい。

そしてありがとう。

バリウム難関が終わればこっちのもの。

あとはさらっと終了した。

帰りに受付で

「バリウム飲まれた方はバリウム液が固まって便秘しやすいので帰ったらすぐ下剤を飲まれて下さい」と下剤を渡された。

元々便秘症な上に、何度もやり直してたくさん飲んだ事を伝えると、更に多めに出してくれた。

言いつけを守りしっかり下剤を飲むと、その日の夕方にはしっかり効いていた。

病院で

「トイレで白いバリウムが出たか確認してください。白いのがでなかったら腸で固まってる可能性があるのでその時はすぐに連絡下さい。」

と丁寧に脅されてたので、毎回便器の中をのぞきこんでいた。

それらしいブツはまだいない。

あんなにいっぱい飲んだのに…

最初に飲んだ下剤で白いブツに出会わなければ、下剤を追加してと言われていたので追加した。

だんだんと下降の勢いは激しくなってきている。

お尻もそろそろ悲鳴を上げそうだ。

白いブツに会いたい一心でせっせとトイレに通いつめ、

今度こそは!とのぞきこんだ先に飛び込んできたモノは

真っ赤な血でいっぱいの便器だった。

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

次回『わたしはおおぢぬし』お楽しみに~

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