オカンにとっては50も娘

おかんの話
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緊急事態宣言解除から、ものすごーく久しぶりに実家に帰りました。

 

前々日から、LINEするもずっと未読のまま。

うちのオカンねー。まーまー、携帯を携帯していない!

固定電話と立ち位置一緒ね。

ただ軽いだけ。

(オカンの紹介はコチラ

 

 

前日の夕方になり、痺れを切らして、こちらからスマホにかけてみる。

しばらくコールを鳴らす・・・

でない・・

さすがに仕事から帰ってるはずなのになー・・

固定電話にかけ直すかー、なんて思ってると、

「はぁ~い。久しぶりね~♪」

なんつって、軽い感じ。

 

拍子抜けしながらも、

『明日久々そっちに帰ろーかと思いよんやけどー。』

と、言うと、

「あ~ら、嬉しいね~♪ 久々に顔みたいなー、声聞きたいなーて思いよったんよ。」

と、オカンの割に、声が弾んでいる。

 

「私は娘がいるって時々忘れる」って、オカンに言わせてしまうくらい

用がある時にしか、実家に帰ったり電話したりしないので、(息子かよ!)

取り留めて急ぎの用もないのに実家へ帰るのは、いつぶりだろうか。

娘と孫の顔を見せるというのは私にとって、

どうやら、急ぎのカテゴリーには入ってないようだ。

 

 

あからさまに伝わる嬉しそうな声を聞き、元気そうで安心したのと、

そんなにも喜ぶのだろうかと、少し首をかしげながらも、

明日の約束をした。

 

 

 

 

次の日、次女を連れ実家に行く前に、納骨堂にも寄った。

今年のお盆は、入院中で墓参りにすら行けてなった。

納骨堂の前で手を合わせ、

『ばーちゃん!断りもなくばーちゃんの話、世間に公表してしもた。許して!

それと、オトンも!今からオトンの話、ガンガン書いていくけんね。先に言うとくけ。

覚悟しとってやー。

あと、あゆみ。あなたのこともいずれ触れることになるかも。こんな母でごめんね。』

3人に、しっかりと断りを言うてきた。

はーーー スッキリした。

実際のところ、実家に帰るというよりは、墓参りの方が、メインだったのかもしれない。

それはそれでよし。

 

 

実家の駐車場に着く前に、さっそく通りの向こうから、

庭仕事をしているオカンの姿が見えた。

毎週休みの度に、庭の花壇の手入れをしてるのか、はたまた。

私たちが行くときは、雨が降ってない限りはほぼ庭の花たちと出迎えてくれる。

 

「赤いポンポンきれいやろう」

と、千日紅をなでながら、花壇へと私を誘う。

手入れをして綺麗に咲いた花たちを褒めてほしいのだ。

「可愛いやん」

と一緒に眺めるだけで、満足している。

花壇の草花のレイアウトにはいささか疑問は残るも、

千日紅の可愛さには変わりはないので、素直に褒めることができた。

 

 

いつものように、保冷バッグを車からだしておいでと言われる。

帰りに持たせるために、必ず持ってくるように言われるのだが、

持って帰らせるためにわざわざ冷凍しているようだ。

オカンの務めている会社で、たびたび貰うそうだが、

木箱に入ったいかにも高そうな明太子や、有名店のお持ち帰り用のもつ鍋セットなど。

地元福岡人でも、なかなか口にしないような美味しいものをくれることが多い。

自分で食べればいいものを、

「この前は、次男にあげたけん、これ持って帰り」

なんて、自分の中での平等も気にかけているようだ。

離れて暮らしていて、ほんとたまにしか帰ってこない私にまで、

そんな事、気にせんでもいいのに。

 

 

久しぶりに隣に並んだ孫の成長ぶりにも、目をくるくるとして驚いていた。

今や10センチ以上の差がある。

「あらー。こんなに抜かされたかねー?」

て、おい!

オカンの背を抜いたのは、次女4年生の時じゃなかったっけ。

いやいや、時が止まってますがな。

ちょうど同じくらいの背やねー、なんつって写ってた2年前の写真。

 

 

 

甥っ子姪っ子も遊びに来てて、ササッと部屋からみんな居なくなった隙に、

オカンがバッグを持ってきた。

ベージュがかったグレーで、ショルダーの紐もついたシンプルなハンドバッグ。

「あんた、こんなん使う?」

『ん?どしたん?もらったと?』と、私。

オカンは、会社の社長の奥さんから、高価なバッグ等をよくプレゼントされていて、

このバッグも、いつものいただきものかと思っていたが、

どうも今回は違ったらしい。

「自分に買ったんやけど、なんとなく使いづらいなーと思って。

使うんやったらやるよ。」

グレージュのシンプルなバッグは、使い勝手はよさそうだが、

内布がうすピンクていうのがなー。あんまし目立たんけど。

自分じゃ絶対選ばんよなー。

でも、よーく見たら使った形跡なさそうやし。

いつもならいらんて言うところやけど、頂くとするか。

 

『(次女の)卒業式と入学式控えとるけんちょうどいいわ、もらうー。』

と言うと、オカンの表情が晴れ渡る。

多分、自分のためっていいながら、ほんとのところは、

私にって、買ってくれてたのかもしんないな。

 

 

 

 

オカンは来年で70才になるのに、まだまだ現役の経理事務。

キッチリとした職種はオカンらしい。

 

退職して、年金暮らしももうすぐなのに。

自分のために貯めとけばいいのに。

今日も、お盆も顔出してないからそろそろ帰らんとなー的な帰省だったのに。

墓参りして目的達成した気分でいたのに。

 

 

 

 

保冷バッグと、お菓子やらなんやらで後部座席を埋めて、帰路につく。

帰宅後、着いたよーの連絡を入れたら、

「持って帰りって置いといた焼酎、渡すの忘れたねー。

ここにあるわ。あははー。

また今度近いうち取りにおいでねー。」

 

 

ち!

意外に策士なオカンである。

 

 

 

 

 

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございます。

次回もお楽しみに。

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